るみなすの七転び八起き

オッサンが独立に向けて活動するブログです。

木皿泉さんについて書いてみる

こんばんは!

独立を目指すオッサンブロガーのるみなすです。

 

今日はですね、大好きな脚本家である木皿泉さんについて語ります。

独立とかあんまり関係ない話になりますが、気にしない方向で

 

ご存じの方もいらっしゃると思いますが、ご夫婦で共同執筆されていて、2人で「木皿泉」さんなのです。

 

るみなす木皿泉さんを知ったのは、2003年に放映された日本テレビ系のドラマ・『すいか』でした。あ、もう14年も前なんですね。時の流れの速さを感じます。

 

『すいか』ってどんな作品?

小林聡美演じる34歳独身の信金OL・基子が、何の生きがいもなく流されるままに生活していたら、小泉今日子演じる同い年の同僚・馬場ちゃんが信金から3億円を横領して逃亡した事件に衝撃を受け、母と暮らす実家から飛び出して「ハピネス三茶」という不思議なアパートに転がり込む・・・という話です。

ハピネス三茶の住人はみんな個性的で、一筋縄ではいかないのですが、とても感受性が豊か自分の視点をしっかり持っています。

ともさかりえ演じるエロ漫画家・絆ちゃん。彼女は一卵性双生児の姉を喪っていて、その傷が元で前に進めない状態。それでも生きていくために、売れないエロ漫画を描き続けます。

浅丘ルリ子演じる崎谷教授。学生時代から39年間ハピネス三茶に住み続け、入れ替わる住人たちの人生を見守っています。常に本質を追求するため、学生に対しても一切の妥協を許さない厳しい人物ですが、真摯に悩んで心から涙する人にはとても優しく接します。

市川実日子演じるハピネス三茶の管理人・ゆかちゃん。ハピネス三茶はまかない付きで、ゆかちゃんの料理をみんなで一緒に食べます。20歳で一番年下なのですが、一番のしっかり者かつ常識人です。

これらの住人に加え、崎谷教授の元教え子である高橋克実とか、絆ちゃんに想いを寄せるヘタレ青年・金子貴俊とか、基子の母・白石加代子とか、3億円横領犯である馬場ちゃんを追いかける女刑事・片桐はいりとか、近所のバー「泥舟」の女マスター・もたいまさこも登場します。

 

まず、るみなすにとってはキャストが素敵すぎました。小林聡美は『やっぱり猫が好き』時代から好きだし、ともさかりえは部屋にポスター貼ってたくらい大好きだし、浅丘ルリ子は『男はつらいよ』シリーズのリリーさんの印象があって素敵な女優さんだと思っていたし、キョンキョンも好きなアイドルだったし。市川実日子はこの作品で知ったのですが、自然体で違和感のないお芝居がとっても良かったし。

 

んで、肝心のストーリーですが、テーマは「温かさ」「再生」でしょうかね。

基子さんと絆ちゃんの心の傷にスポットライトを当てて、2人がどんな風に悩み、考え、成長していくかの過程が、一場面ごとに繊細に丁寧に描かれていきます。

そして木皿泉さんを語る上で欠かせないのが、一瞬で心に刺さってくる数々の名フレーズです。

 

基子「あたしみたいなもんも、いていいんですかね?」

教授「いてよし!」

 

とか。

 

基子「君が絆さんにあげたのは数字よ。6万8000円っていう数字」

(知り合ったばかりの絆ちゃんにアクセサリーを贈ろうとして、突き返された響一(金子貴俊)に対して)

 

とか。

 

刑事「もしかしたら、あなたの持っているものはまだこの世にないのかも知れないし。」

 

とか。


馬場ちゃん「そういう大事なもの、たったの3億円で手放しちゃったんだよね」

 

とか。


絆「やめなって! 人は刺すもんじゃないの。本当は抱きしめたいんでしょ。だったら抱きしめんの。こんなふうにしか人と関われないなんて、寂しすぎるよ」

(思い詰めて、片想いの女の子をナイフで刺そうとしていた高校生に対して)

 

とか。

 

毎回、色んな場面に名台詞があって、もう拾いきれません。

 

るみなすは本放送当時はこのドラマを知らなくて、2年後くらいにレンタルDVDを借りて観たんですが、何度となく泣きました。何回もリピート再生しました。その後も、心が弱ったりするとまた借りて、癒やされました。

 

データを見ると視聴率は振るわなかったみたいですが、『すいか』にハマってしまった身として思うことはただ一つ。

 

誰がなんと言おうと、いいものはいいんです。

 

逆説的に言えば、多くの人が支持しているからと言って、必ずしもそれが良いとか、正しいとか、そんなことはあり得ないんです。

(もちろん、だから少数派が正しいとか言うつもりもありません。)

 

よく、「だってあの人がそう言っているから」とか、「新聞に書いてあったから」とかで自分の行動を決める人がいますが、それはただの思考停止です。るみなすに言わせれば、もはやそれは人類であることを放棄しているに等しいです。

もう一つ言わせてもらえば、そうやって思考停止している人ほど、自身の行動について責任を負おうとしません。誰かの意見に引きずられたのだとしても、人は行動した時点で自己選択しているんです。選択した以上、責任は自分で負わなければなりません。

 

例えば10進法では、1+1=2ですよね。国民投票過半数1+1=5って投票したら、そうなりますか?

コペルニクスが提唱した地動説を支持したことが「聖書の教えに反する」とされ、宗教裁判を受けたガリレオ・ガリレイは、有罪となって地動説を放棄する宣誓文を読まされましたが、その直後に「それでも地球は回っている」とつぶやいた、と言われています。教会が否定したら、地球は止まってしまうんですか?

多数派の意見なんてものは、いつの時代もそれくらい当てにならないんです。

 

なんか話が逸れてしまっているようですが、『すいか』の中で語られている世界観と矛盾する内容じゃないんですよ。

 

何気ない日常の風景の中で、極めて本質的なところを突いてくる。

 

これが木皿泉さんの得意技です。

 

他にもセクシーボイスアンドロボとか、野ブタ。をプロデュースとか、『昨夜のカレー、明日のパン』とか、紹介したい作品がたくさんありますが、それはまた別の日に。

 

それでは、よい週末を!